「ダイスが操る選手権」 〜 第17回世界コンピュータ将棋選手権優勝記 〜

山下 宏
2007/05/09

1.ダイスを転がすと

正直なところ、今回はシード権が確保できれば上出来、と思っていた。
特に激指6にははっきり負け越していて、直近の成績では勝率は0.42、つまり
100局戦えば42回しか勝てない。しかも製品版の激指6は最高レベルの5段にしても
ほとんど考えないので思考時間はこちらが1.5倍ほど使ってのこの数値である。

ので、まぁ優勝は激指で許そう、Bonanzaに負けるのは悔しいのでYSSは2位くらいで、
棚瀬さんは未知だけど5位ぐらいじゃないか、というのが私の予想図であった。

さらに付け加えると、選手権での最近の成績、さらには選手権から
消えたこともあって、世間では東大将棋8の評価が低い?かもしれないが
東大将棋8は相当強い。もし並列化して今年の選手権に出ていれば十分すぎるほど
優勝のチャンスがあったと思う。

というわけで、あきらかに最強ではないYSSが一発勝負の選手権でたまたま勝ってしまった、
というのが今回の真相である。
今年ほど身をもって選手権は運の要素が非常に大きい、と思ったことはなかった。
今までの経験では市販ソフト相手に最低6割強の勝率を安定して得られないと
優勝は難しかったからである。
2003年の時は東大将棋相手に7割の勝率を叩き出していたが、それでも選手権では勝てなかった。
「碁は運の芸なり」という古い言葉があるが、以前の私は強い方が勝つに決まってる、
と思っていた。それはそれで事実なのだが、この言葉もまた事実なんだろう、と最近は思う。


2.1回戦、K-Shogi戦

1回戦は今回唯一の決勝初参加のK-Shogiの本田さん。
普通、強くなる人は2年目くらいでグンと好成績を出してくるのだが、K-Shogiは5年目での
決勝進出で、ちょっと珍しいパターンである。
作者の本田さんは決勝には進めないだろうから、と飛行機のチケットを用意していたのだが
それを急遽キャンセルされたそうである。


後手:YSS 12.95 
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|一
| ・v玉v金 ・v金 ・ ・ ・v香|二
| ・v銀v歩 ・v歩v銀v角v歩v桂|三
|v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 飛 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 角 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂|七
| 香 銀 金 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:kshogi
先手の持駒:なし
手数=43  ▲1七桂  まで

戦型はYSSの四間飛車K-Shogiの居飛穴。ただ、図では▲56歩でK-Shogiの飛車が窮屈になってしまい、
ここから△24歩▲同歩△22飛で、はっきり後手が指しやすくなってしまった。
こういう歩越し飛車は追い回されて討ち死にすることが多く、YSSではかなり厳しく減点しているのだが
中住まいとかではそうでもなかったりするので難しいところである。


3.2回戦、竜の卵戦

2回戦は竜の卵。
実に3年連続の決勝進出である。毎年、今年は無理だろう、との前評判を裏切ってしっかり上がってくるのは
地道に改良されているからなのだろう。今年は並列化にも対応したそうで、序盤も筋が良くなったように
感じた。

後手:ryu
後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉 ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v銀v桂v金 ・ ・v歩v歩v歩|三
|v歩v歩v歩 ・v歩v角 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 歩|五
| 歩 ・ 歩v歩 金 ・ 飛 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 歩 歩 ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:角 銀 桂 
手数=75  ▲8九玉  まで

将棋は竜の卵の振り飛車にYSSの57銀左急戦。今まで急戦は王が薄いから勝ちにくいだろう、
と思っていたのだが、今回統計を取ってみると意外と勝ってることが分かって
急戦を選びやすいようにしてみた。逆に穴熊に潜ると負けやすい。
おそらく、王手がかかる陣形の方が相手が間違いやすく?YSSが受けきる展開が多いのではないかと思う。

にしても図は薄い玉形である。先手の王様の周りにはまったく金銀が存在しない。
桂得とはいえ一発があるとすぐに終わってしまうので怖かったが、なかったようで反撃に
移ってからは手堅く勝ちきった。


4.三回戦、備後将棋戦

第3局は備後将棋。参加4回のうち決勝進出2回、他の2回はいずれも次点、とアンラッキーな展開だったので
備後さんが上がってきたのは良かった。
戦型は相矢倉。備後さんとはこればっかりである。
備後将棋が薄い攻めをしてきたのに乗じて玉頭から押させつける勝ちやすいパターン。
中盤になってもお互いまったく時間を使わず、おいおい、という感じでYSSが有利に。
はっきり切れて勝ちになったのだが、さすが備後将棋もそこまで甘くなく、YSSの△84角が指しすぎで
下図でははっきり逆転ムードである。

後手:YSS 12.95 
後手の持駒:桂 歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v金v歩|二
| ・ ・v桂 ・ ・ と ・v玉 ・|三
| ・v角v歩 ・ 金 ・v桂 ・ 歩|四
|v歩 ・ ・v歩 角v歩 ・v銀 ・|五
| ・ 歩 歩 歩 歩 ・v歩 ・ ・|六
| 歩 金 銀 ・ 銀 ・ ・ ・ ・|七
| 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂v銀 ・ ・ ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手:bingo
先手の持駒:歩 
手数=127  ▲7八金  まで

YSSが勝つにはもはや入玉しかないのであるが、▲55角が▲19香を守ってYSSの飛車、金を睨んでいる厳しい1手で、
相当困っている。流れは完全に備後将棋だったが、ここから△37歩成▲85歩△93角▲73角成に
△19竜、と香を外すことができて、以下▲82馬△同角▲42飛に角と金を犠牲にして入玉を目指したのが
好判断ではっきり勝ちになった。2枚もぼろぼろ取られるのでYSSも悪いと思っていたのだが、
実際には入玉してしまえば、後はと金を作って寄るだけで勝ってしまうので、コンピュータには
難しい局面なのも幸いした。


5.4回戦、激指戦

第4局、3連勝で迎えた激指戦。最大の敵である。ボスキャラという感じ。
3ヶ月前に北陸先端大で行われた将棋ではYSSは2CPU、激指は1CPUというハンデ戦(激指はトラブルで
並列化が動かなかったため)にもかかわらず捻り合いで負けている。

今年は2次予選からの出場だが確かにちょっと受けに回って安全勝ちする「辛い」棋風に
変わったような気がした。
鶴岡さんに聞くと、今年は通常の確率探索を大きく改良して
最大エントロピー法を用いた学習で、部分的な駒の配置や利きの状況などから
ダイレクトにその局面での最善手をはじき出す、という手法をされているそうである。
例えば、平手の局面を与えると、▲76歩が88%、▲26歩が25%、みたいな感じで
駒の取り合いなどがなくても、かなりいい感じで人間の第一感の手を吐き出すのである。

もっともこの手法は重いそうで、rootに近い浅いところではこの手法で確率を計算し、
もっと深いところでは今までの「直前の駒を取り返す手の確率は75%」といった
指し手の特徴だけに基づいた確率で探索するそうである。
なんとも大胆な改良だと思った。

あと、激指のマシンは今回はMac ProのXeon 3.0GHzであった。
選手権の決勝にMacが登場したのはかなり久しぶりだと思う。
しかもさすがプロが作っただけあって、1個120Wの高温を発するCPUを2つ積んでいるにもかかわらず
非常に静か!で驚いた。実際に横山さんに内部を見せてもらったのだが、風がきれいに流れるように
きれいに設計されていて、さすがプロが作るマシンはすごい、と思った。
ちなみにYSSのマシンは秋葉原で手に入る最高性能のXeon 2.66GHz、1個16万円するCPUを2個積んでいる。
CPU FANもIntelの純正なので去年の1UのOpteronサーバほどではないにしろ、そこそこうるさいマシンである。

しかし、ハードの性能の向上はすごい。2年前はOpteronを4つ積んだマシンを137万で買ったのだが、
今年はQuad Coreなので、CPUはたったの2つで、8コアを実現して、値段も44万に収まった。



さてそろそろ将棋の話に戻る。
ただ、はっきり言ってこの将棋は難しくて私の棋力(アマ4段)ではもはや解説が不可能なレベルになっている。

将棋は激指の四間飛車にYSSの57銀左急戦。実はこの戦型になった瞬間に「もらった!」と思った。
激指は相矢倉の将棋は強いのだが激指が飛車を振ると弱い。

         YSS  geki6_5
横歩     18     76   0.19
角換     68    138   0.33
居57     90     66   0.57   激指が振ってくれれば57銀急戦が有力
居穴     15      6   0.71   居飛穴に組んでも勝ち。
居穴穴  102    100   0.50
居左    130    128   0.50   意外と左美濃は勝ってない。互角。
居左穴    2      1   ----
空中     78    168   0.31
振穴      6      7   0.46
振穴穴   54     68   0.44
振飛    332    522   0.38   振飛車もだめ。矢倉と同レベル。
振飛穴    4      7   0.36
不明      1      4   ----
矢倉    428    742   0.36
矢倉穴    0      2
----------------------------
3420   1356   2064   0.396


上の「居57」「居穴」「居穴穴」「居左」
が激指が飛車を振ったときのYSSの57銀急戦、穴熊、お互い穴熊。YSSの左美濃、
の成績を示している。
全体では0.39で負け越しているのにこの57銀急戦だけは0.57と勝ち越してるのが
分かると思う。

とはいってもやや勝ちやすい、という程度なのではあるが。


後手:YSS 12.95 
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金v金v玉v角 ・|二
| ・ ・ ・v歩v銀v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・v銀v歩 歩 金 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ 歩 歩 ・|七
| 香 歩 飛 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| ・ 桂 ・ ・ 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:gekisashi
先手の持駒:なし
手数=49  ▲8八歩打  まで

予想通り、YSSが押さえ込んでこのまま楽勝か、と鼻歌だったのだが、
YSSはここで△77歩成としてしまう。単に△87歩と合わせればいいのに、と思っていたが局後に調べると
△87歩▲76銀△88歩成▲同飛で銀がさばけずに悪そうである。

後手:YSS 12.95 
後手の持駒:銀 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・ ・|二
| ・ ・ ・ 馬 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・ 歩v角v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・v飛v銀v龍 ・ ・ ・ 歩|六
| 歩v歩v歩 ・ ・ 銀 ・ 歩 ・|七
| 香 歩 ・ ・ ・ ・ 金 玉 ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:gekisashi
先手の持駒:金 銀 桂 歩二 
手数=105  ▲3八同金  まで


ここで△47竜と切って▲同金に△57銀成で勝ち、というのが私の第一感だった。しかしYSSは弱気に△65竜と逃げてしまう。
しかしコンピュータは正しかった。仮に切ると、△57銀成に▲33歩成!が絶妙手で△同角は▲57金で成銀がただだし、
△33同桂は▲34桂の一発で必死!がかかってしまうのである。△33同金は▲41銀で負け。△33同玉が唯一難しいが
▲31飛△32銀に▲25桂で寄せられそうである。
以下勝負どころはなく、最後△46角切りから寄せにいったが△48桂成と金を取った局面で、次に詰めろがかからず
はっきり負けになった。
ボスキャラは強かった。


6.5回戦、棚瀬将棋戦

第5局、相手は2年前にシード権を捨てて1年お休みし、今年は一次予選から勝ち上がってきた棚瀬さん。
今回のドラマがあるとすれば、昨年に引き続いての棚瀬さんの初出場、初優勝、であろう。
もっとも初出場とはあまり呼びたくないが。

棚瀬さんがIS将棋を捨てたのはBonanzaが登場した直後で、GPS将棋のデータを参考にした
テンプレート使いまくりの将棋盤(Bitboardではない、利きの情報あり)、全幅探索、学習を使って棋譜から
評価関数を作成、とIS将棋とはまったく違う一から作り直した構造になっている。
学習も保木さんの手法が発表される前から独自に動いており、さすが、という感じである。

もっとも、私はIS将棋のチューニングしまくった強さを身にしみていたので、2年ぐらいで
ISのレベルに到達できるかは疑問視していた。

実際に学習に関して棚瀬氏にいろいろ話を聞いたのだが、
王の安全度なども王の上は王の下に比べて2倍くらい、さらに端にいる玉の方が中央にいる玉よりマス目ごとの
安全度が高い、と人間の感覚に近い数値が実になめらかに出ていた。
今まで、漠然と「このくらいかな〜」と思っていた数値が正確ではないにせよ、ある程度
いい感じで出てくるのは面白い、と思う。

さらに1次予選ではそっぽに金銀を打つくせがあったのを無理やりテーブルを修正
したら(棚瀬氏いわく「ドーピング」だそうである)2次予選以降は見違えるように強くなった、
とこのことである。ちょっと眉唾なのだが。

実際に棚瀬将棋の棋譜を並べて思ったのは「色がない」と思った。
Bonanzaには角を切りたがる、という色があり、激指は金銀が3枚縦に並んだ陣形に組みたがる、といった
色がある。要するにそういうのは欠点なのだが、そういうのがかなり消えて棋風がないような感じである。

そんなわけで、棚瀬将棋がBonanzaと激指を沈めたときには正直驚いた。
と、同時にここでYSSが負けるとほぼ棚瀬将棋の優勝が確定してしまうので、選手権を盛り上げるためにも
是が非でも勝たなくては、と変なプレッシャーがかかってくる。
ここまで棚瀬将棋が強くなってるとは思わなかったのだ。



さて、そろそろ将棋の話に移る。
5回戦、結果的に優勝決定戦となった棚瀬将棋との一番である。
戦型は乱数でYSSの向かい飛車に棚瀬将棋の左美濃に。あっさり角交換になったが
歩をみんな4段目に突いてしまったYSSの方が隙が多くてまずそうである。
で、△55歩と仕掛けられてからはあっさり悪くなってしまった。

後手:tanase07
後手の持駒:金 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ 角 ・v金 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|二
|v歩 ・ ・v歩v金v銀v桂v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩v桂v歩 桂 歩 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ 金 玉 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 銀 ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:角 桂 
手数=59  ▲4七金  まで

60手目に棚瀬将棋は△78桂成。飛車銀両取りなので、コンピュータには魅力的な手順だが、▲34桂〜▲34角成、が
実現してからはYSSが指しやすくなったと思う。
解説でもYSSの読み筋でも△52金とその前に▲34桂を受けておけば良かったようである。


後手:tanase07
後手の持駒:歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v玉v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v桂 圭v歩|三
| ・ ・v歩v銀v金v歩 馬v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v桂 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 金 銀v歩 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ 玉 ・|八
| 香v圭 ・v飛 銀 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:角 歩 
手数=86  △3二金打  まで

勝ちになったものYSSもここで▲46金と誤る。△57桂成は詰めろでも何でもないでの
ここでは▲33馬△同金▲同成桂が詰めろの1手1手ではっきり勝ちだった。

1CPUで探索させるとちゃんと▲33馬を見つけるのだが、2CPUや8CPUで走らせると、
最善手が変わったり見つけるのが遅くなったりして、非常に不安定である。
通常、並列化させると探索結果は不安定になるのだが、どこかにまずいバグがあるのかもしれない。


後手:tanase07
後手の持駒:角 銀 桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩v金 ・v桂 金v歩|三
| ・ ・v歩v銀 ・v歩 馬v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v桂 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 金 歩 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ 銀v歩 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ 玉 ・|八
| 香v圭 ・v飛vと ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:金 歩 
手数=96  △5九歩成  まで

YSSのここで▲32金の王手。普通の手だが、YSSの評価値は+2500点から-1200点まで、3700点も急落していた。
YSSの読み筋は▲32金△同玉▲23金△31玉▲33馬、で必死。だが、その瞬間△39角からの15手詰があり頓死する。
この筋に気づいたのは91手目の▲32角成の時点だが、もはや軌道変更はできなくなってしまっていた。

YSSが
「勝つ寸前!頓死をチェック!」
という表示を吐き出した後に
「危ない!詰みがあるぞ。」
という表示を出した時はめまいがした。


後手:tanase07
後手の持駒:角 金 銀 桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩v金 ・v桂 金v歩|三
| ・ ・v歩v銀 ・v歩 馬v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ 銀v歩 ・ ・|七
| ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ 玉 ・|八
| 香v圭 ・v飛vと ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:飛 桂 歩 
手数=101  ▲4五金  まで

この▲45金は「△39角」の詰めろ逃れの詰めろ、だが、実はこの局面では△68飛成から35手詰があった。
詰将棋を解くことに関しては最高性能の東大将棋8(df-pn)でも38万局面、YSS(PN)では106万局面ほど
探索しないと分からないかなり難しい詰で実戦の時間内では読みきれなかった。
棚瀬将棋は反復深化の詰将棋しか実装していない、とのことで、それが勝敗を分けることになった。
東大将棋8の長考派、に指させてみるとあっさり読みきられて詰まされた。

ただ会場にいらした米長永世棋聖は詰みがある、と指摘されていたそうで、人間の能力はすさまじい。

実戦は以下、△68飛成▲58歩に△49角?が信じられないポカで▲43桂以下、あっさり9手の頓死で
勝ってしまった。この程度の頓死をうっかりすることは考えられない。
よく分からないが棚瀬さんいわく並列化に関するバグだったそうだ。
△49角では△58同飛成の即詰みか、もしくは△45歩と手を戻しても以下▲51飛に△41桂合が唯一の受けで
やはり棚瀬将棋の勝ちだったようだ。

相手からなぜか "%TORYO" が送られてきたときには意味が分からずしばらく画面をぼーっと眺めていた。


7.6回戦、TACOS戦

6回戦、TACOS戦。
昨年TACOSには痛い一敗を喰らって、またComputer Olympiadでも互角に近い成績になっているので
Tacosははっきり強くなってきたと思う。
ただ、今回、決勝に残った8チームのうち、唯一並列化していないのがTACOSで、今回は
危険な存在にはならないだろう、と思っていた。
4CPUで探索させれば2倍以上の効果があるのに、YSSは8CPU、TACOSは1CPUではハンデがありすぎる。

後手:TACOS
後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 銀 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:角 歩 
手数=17  ▲6九玉  まで

YSSは最大でも12手目で定跡を打ち切るようにしていて、この将棋は3手目から思考していた。
選手権で30手目ぐらいまで定跡で進む将棋は個人的に非常に抵抗がある。
コンピュータの序盤はそんなに強くないはずなのにそれを誤魔化しても仕方がない。
ただ、Bonanza、棚瀬将棋、と棋譜からの学習させたプログラムは今までのソフトに比べて
とてもきれいな序盤を指す。特に、一回形が壊されたり、中盤から序盤に戻った時でも穴熊に組み替える、
など非常に柔軟な人間っぽい手を指せるようになったのはかなりのブレイクスルーだと思う。

さて、この将棋は図からTACOSの△62銀?という手で以下▲77角△76飛▲24歩!という
よくある手筋が決まってあっさり必勝になってしまった。
橋本さんいわく、△82飛には▲83歩〜▲65角を嫌がった、とのことであるが
何でもなかったように思う。
せっかく1年に1度の将棋なのに、ちょっと残念な棋譜になってしまった。


8.7回戦、Bonanza戦

7回戦、Bonanza戦。
とうとうきたか、という感じである。
私の予想は激指が6連勝で最終戦を待たずに優勝を決めて、おそらくこの将棋は
消化試合になるだろう、と思っていたのだが、YSSにとっては勝てば優勝、Bonanzaも
展開しだいで優勝、となかなかの大一番を迎えられたのはうれしかった。

しかし開始早々、YSSがBonanzaの1手目の受信を失敗してしまう。
どうやら"START:"と2行同時に1手目が来ているようで、手抜きのプログラムをしていた
YSSが悪いのだが、今まで50局ぐらいLAN対戦はやっていてこの現象は一度も出なかったので
放置したままだった。AI将棋の開発チームの方や奈良将棋の奈良さんから助言を
もらいながらとりあえずの修正をして試してみたが、それも失敗。どうやら今度は
別々に来ていたようである。結局、5回目くらいに何も修正していないままで
対局が始まってくれて本当にほっとした。


戦型はBonanzaの振飛車穴熊にYSSは雁木?に組んで対抗する。
実はBonanza相手には居飛穴に組むとかえって勝ちにくいことが分かっていたので
この戦型はある程度の予想範囲であった。
どのみちBonanza相手には受け切って勝つしかYSSの勝ちパターンはないので。
やはり王手がかかる陣形の方がBonanzaが間違いやすいようである。

後手:YSS 12.95 
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・ ・v歩v銀v銀v角v歩 ・|三
| ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・v歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 ・ ・ 金 銀 香|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ 金 桂 玉|九
+---------------------------+
先手:bonanza
先手の持駒:なし
手数=37  ▲6五歩  まで

にしてもここから△86歩▲同歩△45歩、とはまた軽い仕掛けである。
できればYSSから先に攻めて欲しくなかったのだが。
以下、▲45同歩△77角成▲同桂△86飛と進む。
勝又さんいわく、ここで▲64歩で困るそうで、△同歩には▲65桂!から▲77角の王手飛車があるそうである。
実際▲64歩と突かれてBonanzaペースか。

以下いつものようにBonanzaが角を切ってきてYSSが受け潰す展開に。


後手:YSS 12.95 
後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ ・ ・ ・ と 銀 全v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v飛 ・v歩v金v香 ・v歩 ・|三
|v歩v歩v歩 ・ ・ ・v馬 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩v歩 ・ ・v玉v歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 金 ・ 桂 ・ ・|六
| 歩 ・ 桂 ・ 金 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 銀 香|八
| 香 ・ ・ ・v飛 ・ ・ 桂 玉|九
+---------------------------+
先手:bonanza
先手の持駒:桂 歩 
手数=108  △5五歩打  まで

それにしてもYSSの王様は寒い。
何か一発あったら簡単に終わってしまう展開が続いて大変心臓によろしくない。
ここから▲26歩△14玉に▲16歩を見てYSSの評価がほとんど互角から+1000と跳ね上がって
喜んだ。よく分からないが勝ちがあるのであろう。
以下△16同歩▲15歩△同玉▲11成銀の局面で、横で観戦されていた加藤朝日アマが
あっさり「△49角で勝ちですね」と指摘。同じく観戦していた鶴岡さんと
「えー?」と思っていたのであるが、YSSも20秒ぐらい考えた後に、
何かまずそうなことを示す「パニックタイム」モードに入ってほどなく△49角を見つけて評価が上がった。
ほどなく△17桂というかっこいい手(これも加藤さんに指摘)も飛び出して必死をかけて
勝ちきった。

というわけで何だか火事場泥棒みたいな感じで優勝が転がり込んできてしまった。

YSSも去年のバージョンに比べて勝率0.65ぐらいで強くなっていたので
少しは改良も効果があったのかもしれない。
一番大きかったのはLate Move Reductionsという手法で、5番目以降に読む手を1手浅くして
評価値が更新すれば再探索、という手法である。他には王の安全度を2倍にしてみたり
(これでYSSも少し過激な棋風になった)駒打ち1手詰みを評価関数の直前に調べたり、
直前が詰めろの場合だけ詰将棋を呼ぶ、などの改良がやや効果があった手法である。




9.加藤幸男さんとのエキシビジョン

多分、見学者の多くが選手権の結果以上に期待されていたであろう、朝日アマ名人の
加藤幸男さんとの平手でのエキシビジョン。
話は少し戻って、去年の11月、加藤さん、清水上さんとBonanza戦の翌日に、朝日アマ名人戦の
南関東の予選があった。
もし、そこで勝ち抜いて県代表になって、さらに優勝なんかして
加藤幸男さんに勝ったりなんかすると、エキシビジョンの相手は私自身?。
そこでもってBonanza相手に全駒とかにしてぼこぼこにしてやったら楽しいだろうな、
という野望を抱いて、その予選に参加してきた。
しかし予選1回戦の相手はどこかで拝見したことがある人だな、と思ったら現アマ名人の山田洋次さんで
あっさりぼこぼこにされて予選落ちしてしまった。
ちなみに山田さんはそのまま南関東代表になり、全国大会も勝ちあがって6月に加藤さんと3番勝負を戦う
予定である。
いや、神奈川県のアマ予選はレベル高すぎますよ、ほんと。

さて、安食さんが秒読み、鈴木8段と矢内女流名人が解説、と非常に豪華な環境の中、対局は始まった。
持ち時間は15分で切れたら30秒。
戦型はどうしようか悩んでいたが居飛車にしてみた。
特に波乱もなくすらすらと相矢倉へ。

後手:加藤幸男さん 
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v香 ・v桂v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
|v歩v歩v銀v角v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 角 歩 銀 ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:なし
手数=53  ▲5七角  まで

YSSは受け将棋なのもたたって他のソフトに比べて人間には勝ちにくい。
多少過激でも攻め将棋の方がはっきり人間には勝ちやすいようである。
YSSも王の安全度を2倍大きく評価するようにして、勝率も0.55と上がり、やや過激に
攻めるようになったが、まだ受け将棋なのはそれほど変わってない。

さてYSSが角の上下運動(準備運動と鈴木8段には酷評)している間に加藤さんは着々と理想形に組む。
上図から△85桂▲86銀△75歩と攻められる展開に。
もっとも加藤さんは局後「理想形に組んだことはないのでどう攻めていいか困った」と
意外なことをおしゃってました。

後手:加藤幸男さん 
後手の持駒:銀 香 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・v歩|四
| ・ 桂 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|五
| ・ 銀 歩 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 金 角 歩 銀 ・ ・|七
|v馬 ・ 金 玉 ・ ・ ・ 飛 ・|八
|v龍 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:桂 香 歩五 
手数=88  △9八馬  まで

端攻めから破られて上図。ここでYSSが▲15歩、と端攻めをしたのには自分でも驚いた。
善悪はともかく地平線効果を徹底して封じている今までのYSSでは端攻めはほとんど
できなかったためである。王の安全度の過大評価か読みが深くなったせいか、もしくは単に地平線効果
なのかわからないが。


後手:加藤幸男さん 
後手の持駒:銀 歩八 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・v金v玉v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v銀 ・ 桂|四
| ・ 桂 ・ ・ 歩v香v歩 歩v香|五
| ・ 銀 歩 歩 ・ 銀 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 角 歩 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・ 飛 ・|八
|v龍v馬 香 ・ ・ ・ ・ 桂 ・|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:香 
手数=114  △4五香打  まで

ずっと悪い、と思っていたYSSがここで少し評価を戻して▲48角。
なんだこりゃ?と思っていたのだが、なるほど指されてみると、次の▲15角が受けにくい。
解説の鈴木8段も気づいてなかったようで、加藤さんもちょっと困った様子でした。


後手:加藤幸男さん 
後手の持駒:銀二 香二 歩八 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ 歩v玉 ・ ・v歩|四
| ・ 桂 ・ ・ ・v歩v歩v銀 ・|五
| ・ 銀 歩 歩 ・ ・v桂 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 ・ 歩 角 香 ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・ ・ 飛|八
|v龍v馬 香 ・ ・ ・ ・ 桂 ・|九
+---------------------------+
先手:YSS 12.95 
先手の持駒:金 
手数=139  ▲1八飛  まで

ここで▲18飛と回った手も意味がまったく分からなかったのですが、加藤さんが悩んで
△15香と受けたのを見て、ひょっとしたら、と少し思い初めていた。
ここに1枚使わせたのは大きそう。
しかし以下▲58飛に△49銀と打たれて▲59飛△58銀打と飛を捕獲されてからは評価値は急転落。
以下▲58同飛△同銀成▲同玉△55香▲同角△同玉、の局面が詰めろになっており、
コンピュータ特有の王手攻撃をした後に投了となりました。

アマ強豪には結構勝ったりするのですが、アマトップはほんと、強いです。
加藤さんに勝てるのにはまだ時間がかかりそうです。


10.ダイスのゆくえは?

結果をまとめると、YSSは激指に負けただけの6勝1敗で優勝、
同じく6勝1敗の棚瀬将棋は直接対決でYSSに負けているので
規定により2位。激指は棚瀬将棋とBonanzaに負けて5勝2敗の3位。
Bonanzaは棚瀬将棋とYSSに負けて5勝2敗で4位。過去には5-2で優勝だったときもあるので、
この成績でシード落ちはかなりアンラッキーである。
それだけ上位4つが拮抗していたということでもあるが。

また、今回、YSSは穴熊はしなかったこともあり、比較的面白い将棋が多かったと思う。
やっぱり将棋は中終盤の捻り合いが最大の醍醐味である。

展開に恵まれていたにせよ、優勝は優勝なので
打ち上げでの鶴岡さんの
「優勝したらいいな、というソフトが2つあって、一つは最強のソフト。
で、最強のソフトというのは激指でして」
という負け惜しみを笑って聞き流しながら
今年1年は最強のソフトを名乗らせてもらおうと思います。
また、来年はKCCが復活してさらにハイレベルの決勝が戦えることを期待しています。



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